―…あ!勇雅くん!! 勇雅くんが登校して来たのを見たのが昼前。 あと二十分で午前中の授業が終わるって時だった。 薄いカバンを肩にかけて携帯をいじりながら歩いている勇雅くん。 ―…確か勇雅くんのカバンって教科書が二冊ぐらいしか入ってないんだよね。 「…高橋くん…かっこいい♪」 「瑛未ちゃん、うらやましいなぁ…」 前に座る友達の話し声が聞こえた。