学校から出て、瑛未の家を目指す。 先を歩くオレと 後ろから小走りになってついてくる瑛未。 何の会話もない 張りつめた空気が漂う。 だけど、その空気を破ったのは瑛未だった。 オレの制服の裾を掴む。 瑛未が後ろから引っ張るから、オレは立ち止まるしかなかった。 「…勇雅くん…」 瑛未の小さな声。 少しだけど、オレにまで震えが伝わってくる。 「……怒ってるの…?」 「…別に。」 落ち着けと自分に言い聞かせる。 「…私、何かした?」 「…………」