「え〜でも〜駿太に関係なくない?」


「‥朝香は大事な後輩だから。却下」


「も〜却下却下ってお前うざっ」


こうなったら強行突破


「朝香ちゃんに直接言おう〜」


「はぁ〜?お前やめろってば」


廊下に立って話している朝香ちゃんに
向かって走って行き


「朝香ちゃーーん!」


キョトンと俺と駿太を見る


「‥‥‥はぃ、な、なんでしょうか?」


「あのさ!今日、い「景やめろ。いい加減にしろよ。」


そう言って俺の言葉をさえぎった駿太


「いいじゃ〜んケチ!」


「俺はケチじゃねーよ。戻るぞ」


「やだやだ!だって朝香ちゃんと帰りたいんだもん!」


朝香ちゃんとその友達はえ?って顔してる


あ、俺素だしてたやべ


そう、俺は駿太くらいにしか素を出していない


いつもの俺はクールぶってかっこつけて気持ち悪いくらいの優男


自分でも吐き気がするけど
そーしてると周りからの対応がいいし

教師たちからもあたりがいい


だから、キャプテンなんてやらせてもらえるんだ


「はははっはっ先輩ってかわいいんですね!かっこいいだけかと思ってましたよ」



朝香ちゃんは笑って言った


「あ〜とこれは〜えーと駿太くーん。」
そう言って駿太に助けを求めた


「知らねーよ。自分が悪い」



「あーばれちゃったらしょうがないね
俺この性格が素なんだよね〜
びっくりさせちゃったよね〜」


「はい!でもどっちの先輩でもいいと思います!」



わ、この子を駿太が特別に大切にするのがわかった気がする


すごいわ、これ、
なんか吸い込まれそう

なんだろうすげーわ

きらっきらっしてる


「‥‥‥‥あ、ありがとう」

すこしだけ動揺してしまった



「景、行くぞ。もういいだろ」


「あ、あぁ、‥ごめんね朝香ちゃん
また、部活で」



そう言って駿太の後について行った