「今日は何のクエやるんだっけ?」


ネフィウスがティアラにそう問いかけると、一瞬沈黙があり、ティアラが口を開いた。


「こないだ言ってたやつの討伐。」


するとネフィウスはあぁ、そっか、と頷いてから難しそうな顔をした。


「……お前、また誰も連れてかねぇのか?」


うん、とティアラが頷くと、ネフィウスは暫く唸ったが、すぐにまぁ、いつものことだしな、と呟いた。


討伐クエストに1人……?


それは危険ではないかと言いかけたが、さすがにまた何か怒られても困る。ここは黙っておくべきだろう。


「ん、じゃあ、行ってくる」


俺がそう考えてるうちに、ティアラはさっさと歩き出してしまった。

「気を付けろよー」


ネフィウスの、あからさまに適当な言葉には特に反応を見せず、すぐに見えなくなったティアラを何となく見送っていたら、何故だかネフィウスに殴られた


「ッ痛ぁ!?」


なぜだか相当力が入ってた気がする。めちゃくちゃ痛い。


「ぼけーっと見惚れてないでさっさと中入れガキ」


……まぁ確かにずっと外っていうのも難だから入れって言うのはわかる。わかるが


「見惚れてるって誰がだ誰が!!俺は少なくとももっと明るくてあんなに生意気じゃねぇ方が好みだ!!」


「あーはいはい、そう言いつつ、彼の中には彼女の印象がいやに強く残った。これが彼の恋の始まりだとも知ら「んなわけあるか!!勝手にシナリオ作って進めてるんじゃねぇよ!!」」


俺が必死になって全否定すると、ネフィウスはめんどくさそうにあー、分かった分かったとてを振って中に入っていった。


「……ったく。」


俺は一旦深呼吸をして、憧れの場所、Skywingギルドの建物の中へ足を踏み入れた……。