私の顔は硬直していたかもしれない。

それでも私は、硬直した表情を無理やり笑顔に変えて
「は?なに言ってんの?なにそれ?誰かと間違えてるんじゃない?」
そう言って、ふざけて笑いながら、その話を終えようとした。
いや自分に今ふりかかった疑惑をなんとか揉み消そうと思った。

しかし脳裏には色々な事がノンストップで、めまぐるしく流れ出す・・・

どこでバレた?レンタルビデオ店?
でも、あの多量なビデオから私のが見つかった?
これだけの人口が日本にいるのに、今、私を囲む男の中に、それを見たヤツがいたと言う事?

もしかして、良明も、それを知っていた?

だから私はフラれた?

浩司は、へらへらと薄ら笑いを浮かべながら、私の胸ぐらを掴んだ。

「知ってるんだよ。なに、ごまかそうとしてるの?
ビデオも見たよ。間違えなく、おまえだったよ?
先輩がさ、せっかく遊びに来てくれたし、女がいないのツマラナイって言うからさ。
もてなしてよ、俺の大事な先輩達をさ。頼むよ」

そう言って、私の洋服を、強く引っ張った瞬間・・・

私のシャツがビリリ・・と音を立てて引きちぎれたのがわかった。

それでも私は、「知らない」「人違い」「ふざけんな」「放せ」「やめて」その言葉をひたすら繰り返し続ける。

私が抵抗する中、1人の男が大音量でカラオケをかけ、まるで私の存在を無視するように歌い始める。

浩司の先輩も、いつの間にか、浩司と一緒になって私のシャツを剥ぎ取り、押さえつけ、足を開こうとする。

もうダメかもしれない。どうしたらいい。逃げ場はどこ?入り口はどこ?私は、瞬時に様々な思考と葛藤した。