桜

あのさ、でも嫌いだからとか

そういうんじゃないんだよ。

なんて言うか、友達・・・うん友達以上には、なれないって言うか・・

だからと言って、俺が気持ちに応えられなくても友達やめるとか、そういうのはないんだよ。

たださ、まさか、そんな風に思われていたなんて知らなかったし・・・

もし、俺がね、何か期待させるような事をしたりしてたなら、それも謝るよ。

でも、なんて言うのかな・・・あまり、そういう恋愛関係とかさ、そういう関係には、おまえとはなれないって言うか・・

考えた事もなかったから・・・

ごめんね。

今までどうりの友達じゃダメなの？


その後は、私を傷つけまいとしたのか、良明は、機関銃トークのように一生懸命、私をフォローした。

期待させられてはいないよ。

私が、あなたを好きで好きで仕方なくなっちゃっただけ。

今までどうりに友達？あなたは、そうしてくれるの？私は、無理かもしれない。

そうか、私は友達以上にはなれないんだね。

でも私は、あなたと友達以上になりたかったから、あなたと友達にはなれないかもしれない。

だって気持ちが、こんなにも欲しているのに、あなたの恋人になりたいと思っているのに、それを抑えることなんて出来る訳がない。

私は、そんなに大人じゃないし、物わかりもよくない。


「じゃあ、またね」

そう言って電話を切った。

抑えきれない感情が涙となって私の体から溢れ出した。

その涙は、朝まで止まらなかった。