内容は、こうだ。

荒木がその金融屋に話をつける、そして借用金額を一括で清算し、もう2度と、私に絡まないとの誓約を立てさせる。その一括したお金は私が荒木のプロダクションに所属し、AV女優として働くことで返済すると言うもの。

「なんだ・・やっぱオチはスカウトですか」

私は笑ってしまった。
そして、助ける・・の言葉に期待してしまったのでガッカリした。

「そりゃそうでしょ?でも初めに一括で払うなんて、普通やらないよ。あくまでも、あゆみちゃんがウチに所属そて働いてくれるのであれば・・の交換条件だよ」

「素直な人ですね。営業っぽくなくて露骨すぎて笑えますね」

「どんなに小さな仕事でも2時間くらいで終わる撮影でも、最低で15万は保障する。もちろん内容や、拘束時間が長ければ1本出演で20万は最低保障するよ。どう?」

「でも顔がバレるのは困るんですよね」

「まぁ、こればかりは絶対にバレませんとは言えないから、それを言われちゃ、どうしようもないんだよ。例えばレンタルビデオ店のアダルトビデオコーナーって見たことある?
すごい量でしょ?あの量の中から、あゆみちゃんの知り合いが、あゆみちゃんのビデオを見つけるかどうかって事だからね」

「そうですよね・・すごい量があるんですよね、ビデオって」

「最終的には、あゆみちゃんが決めて。俺は強制しないから」

「荒木さん、金融屋とグルとかって事ないですよね?金融屋と話なんてつけられる自信あるんですか?ヤツら、完全にヤクザですよ?」

半信半疑がぬぐえない私は、荒木にしつこく食い下がった。

すると荒木が、ため息をついて言った。

「あゆみちゃんさ~・・・・

裏社会なんて、全然、知らないでしょ?どういうモンなのか」

「知らないです。当たり前です・・・」

「知らなくていいんだよ。女の子は、そんなの知らなくていい。だから、そういう厄介なのは、俺が完全に片付けるから、安心しな」

荒木・・・この男は何者なんだろう?

でも、私は、何故かこの荒木は信頼する事が出来た。