仕事帰りの数時間のテレクラで稼げた金額は、月に5万程度だった。

翌月、また支払いの請求が来て、私は15万支払う。

残り5万と、テレクラのバイト代5万、合わせて10万の中から、駐車場代を支払ったり、携帯や色々な支払いを済ませ、必要な出費を考えても残せるのは、せいぜい1~2万くらい。

その、お金も翌月の支払いを考えて、出来るだけ残す事にした。

その頃は、自分で金融の利息なるものが、どの程度で、どういうものなのか、正直、よくわかっていなかったけれど、私に、降りかかってきた、この250万の借金の利息は、相当な法定外の利息だったらしい。そのため返済しても、元金はほぼ減らず、むしろ、支払いをモタモタしていると、借用額が、どんどん増加する。

今ほど、金融問題が世の中で騒がれていた時代ではなかったので、まだまだサラ金などが、あちこちに存在していた時代でもあるし、泣き寝入りをする人も多かっただろう。

4回目の支払いのとき、丁度、仕事で使うハサミも買わなければならず、15万の支払いが出来なかった時があった。

その時、金融屋達は、「今から、お宅に伺います」と言ってきた。
それは困ると言うと、翌日、私の車に張り紙がされていて、その張り紙には「約束は守りましょう!お金は返してください!」とマジックで、デカデカと書かれていた。

幸い、私が借りていた駐車場は家の近くの共同駐車場で一番、奥だったから、おそらく人目にはつかなかったと思うけれど、私は、その張り紙を見たとき、ここまで来たんだ・・・と言う思いに、鳥肌が立った。

その頃、銀行に頼み、なんとか、まっとうな融資と言う形でお金を借りて返済しようと企んだけれど、車のローンを組んで日も浅く、また美容師と言う職業柄、借用を断られた。

美容師とテレクラの掛け持ちを始めて5ヶ月目。私は、ある決断をする。