…振り下ろした剣を、放す。

指揮官を倒された事で、大国軍の統率は完全になくなった。

既に散り散りになりつつある大国軍に対して、私は叫ぶ。

「聞け!!貴様らの指揮官は、この戦乙女が討ち取った!!将なき軍は烏合の衆に過ぎぬ!!既にこの戦は、小国軍の勝利で決した!!」

私の言葉で、小国の兵は歓声を上げる。

その声を片手で制して。

「戦意を失った者に、我が軍は刃を向けぬ!!それどころか、我が国は敗者をも受け入れる準備がある。もう一度言う、この戦は小国軍の勝利で決した!!無益な戦いはやめ、我が軍に投降せよ!!貴様らも、貴様らの家族も、この戦乙女が悪いようにはせぬ!!」

…私の言葉に納得してくれたのだろうか。

一人、また一人。

次々と、大国軍の兵士たちは手にしていた武器を捨てる。

…終わった。

これで本当に終わった。

長きに渡る大国軍との戦は、ついに小国軍の勝利で幕を閉じたのである。