手にしたあとは?〜積み重なってゆくもの〜




「…………………………忘れろなんて…言わないで…?」



てっチャンがハッとした顔をして
「ごめん…でも…」
何か言いかけた。



「大樹さんが誰を好きでも、私を側に居させてくれなくても…それでも好きで居たいの。」


てっチャンはふぅ…ってため息をついた。



「もぅ決めたの。他の誰もいらないの…。」



「華乃は、ずるいなぁ。好きって言わせてくれないの?」


てっチャンはしゃがみこんで私を見上げた。哀しそうに笑って…


「ごめんなさい…」


「謝るなよ?強引に誘ってた俺も悪い…」


私はすぐに答えた。
「嬉しかったよ?すごく楽しかった…!本当にありがとう。」



「まぁ…、気が変わって誰か他の人、好きになる気になったら真っ先に俺を選んでよ?」


てっチャンは、あのキラキラした笑顔で笑ってくれた。



この笑顔に救われたんだよ。


















「他の人なんて、好きにならないよ…」