手にしたあとは?〜積み重なってゆくもの〜



その名前を呼ぶのは、大樹さんだけなのにな。

そんな気持を隠して返事をする。


「てっチャン!おはよう。てっチャンも勧誘?」



「うん。サッカーサークルなんだ俺♪」


はにかんだてっチャンは太陽みたいにキラキラ笑うね。

クリスマス以来、落ち込んでた私を、彩と一緒に暗闇から救ってくれたのもこの笑顔。



だから…
「坂井ぢゃなくて、華乃って呼んでいい?」


この言葉に、
「うん。」
って答えてしまった。




私の特別が薄れていく気がするな…





そんな時、門をくぐって歩いてくる人が…




こっちを見てる。