朝…眠る大樹さんのホッペにキスをした。
「ん…」
1日で実家とココを往復したんだもん。疲れてるから、起きるはずないよ。
クリスマスプレゼントは渡さない。
やさしい大樹さんはきっとこのプレゼントを大切にしてくれちゃうから。
「バイバイ…」
そっと部屋を後にする…
「華乃っ!」
玄関を出る瞬間、寝起きの大樹さんに腕を捕まれた。
「大樹さ…起こしちゃった?」
「いや……。いいんだ。華乃…。」
大樹さんが突き出した小さな袋。
「…コレ、いらなかったら捨てて…」
大樹さんは、静かに呟いた。
何かは分からなかったけど…私も静かに受け取った。
「ん。ありがと…」
「また…学校で、な?」
「うん。またねっ」
少しだけ目を合わして、すぐに反らした。
目を見たらダメになるから。
今度こそ、私は部屋を出た。
一度も振り返らずに。

