手にしたあとは?〜積み重なってゆくもの〜




「あっ…ごめん華乃…っ。俺チョット地元帰る…。心配すんな。…すぐ戻るから。」



普段冷静な大樹さんが、慌てて話す。




なんとなく行かせちゃダメな気がしたんだ。



彼女の元には行かせたくない。



「やだっ!今日は一緒に居てくれるんだよね?」




「華乃…」




大樹さんに抱きついた。



「側に居させて…?大樹…。」



強く見つめた。



大樹さん、なんでそんな悲しい目するの?




そんな事聞けない。



「華乃…ごめん…っ」




私は、すっと手を離した。




ガチャッ―





大樹さんはバイクに乗って地元に帰って行った。







彼女の元に帰って行った。