パァァーーーーーーーーッ!
男にとって、予想外のアクシデントが発生した。
男の遥か後方の車道にて、強引な割り込みを行ったタクシーに対し、割り込まれた方の大型トラックが抗議の為のクラクションを豪快に鳴らしたのだ。
いったい何事が起こったのかと、前島が後ろを振り返ってしまった。
「危ねえっ!勇司っ!」
今にも森脇の背中に突き立てられようとしていた、男のナイフが目に映るや否や、前島は反射的に森脇を両手で横に突き飛ばした。
そのおかげで、森脇は間一髪で難を逃れる事が出来た。しかし、逆に前島の方は森脇を庇ったせいで無防備な隙を作ってしまった。
ナイフを持った男を前に、反撃する事も逃げる余裕すら無い。
「晃ぁぁぁあああああーーーーっ!」
突き飛ばされた森脇が、声のかぎりに叫ぶ。
前島は自分の心臓を守る為に、咄嗟に腕を前にして受身をとるのが精一杯だった。
そして─────
.



