一曲目のツェッペリンから始まり、国内のヒットチャートを独占した自らのオリジナル曲を含め、八曲がおよそ一時間かけて演奏された。
正規のメンバーから二人欠けているというハンデなど、この森脇と前島からしてみれば全く関係無い。むしろ、森脇のドラムというかなりレアなこのシチュエーションは、トリケラトプスのファンからしてみれば垂涎モノのステージに違いない。
なるほど、『テキトー』と言っていた森脇のドラムワークは自己流ではあるが、見事なまでに完成されており、そんじょそこらの二流ドラマーよりはよっぽど上手い。
唸りを上げる前島のギブソン、そしてライオンのように長髪を振り乱し吠える森脇の声に、観客は拳を振り上げて応える。
圧巻は森脇のドラムと前島のギターの掛け合いソロ。
まるでマシンガンのような森脇のドラムワークに、前島が時に繊細に、時に荒々しく、緩急の効いた絶妙なメロディーを乗せていく。
抜群のスピード感と美しいメロディーライン、そして壮大なスケールを合わせ持った二人の芸術的とも言えるソロワークは、この単なるロックBAR《レスポール》を観客ごと、どこか別の世界へと音速で運び去っていくようであった。
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