予想通り、早朝には一旦落ち込んだ数字(視聴率)も、時間と共に、徐々に調子を取り戻しつつある。
元々、この時間帯は普段からあまり数字を稼げる時間帯では無く、この落ち込みは本田としてもある程度想定内のものであった。
そして、多くの人々が起床を始める午前8時を迎える。
この時間からの挽回の為に本田がステージに用意していたのは、いずれも今をときめく人気女性アーティストのラインナップ。
木村カイラ、きゃりーぷにゅぷにゅ、西尾カナ、eiko、May K.、jaja、椎名蜜柑、mira (ん?)、ドリカミ、倖田未來、安室奈美、川崎あゆみ、宇多田ヒカリ……etc.
これだけの顔ぶれは、他局の音楽祭でもそう簡単に集められるものでは無い。このメンバーの名前を見るだけでも、本田のプロデューサーとしての出演交渉手腕がいかに優れているか窺い知れるというものだ。
観客の入れ替えが終わると、客席は若い女性客のファンでいっぱいになった。
各々が入口で配られた黄色いタオルを手にし、曲に合わせて振り回す。
自然と生まれる会場の一体感。そんな心地よい雰囲気のまま、ライブは昼のグループへと引き継がれた。
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