その声だけが
やけに真剣で
勇人のこともあって
断れなかった


「わかった。」


そしてふたりで下校した
さっきまでの怖かった
仁戸部くんはいなくて
ただ、本当にたのしそうだった。

帰り際

「みかん。慧って言って」

「慧……くん」



勇人以外、呼び捨てになんかできない

「だーめ。さ・と・し。」




「慧」

「よし、じゃあな」