僕と君の365日


イオ、早かったな......

いや、いつものことなのだけど。

「元気そうで何よりね。お悩みのとーるちゃん?」

美琴には何でもお見通し。いつでも私のことをわかってる。

「だってよくわからないし。好きって、どういうことなのか。どこからが好きでどこまでが好きじゃない、なの?」


「それ、悩む必要あるの?」

「え。」

私の中で何かが崩れ落ちた。

もしかしたら美琴は答えを教えてくれるかもしれない。そう、思っていた。甘かった。美琴はそんなに優しくない。人を試すひとだ。

「で、デートには誘ったの?」

「まだ、です。」

「でしょうね。そうだと思ったわ。」

「う、......」

やっぱり、知ってた。

「デートに行ったら好きかどうかわかるかもしれないし。あ、あと。イオが屋上でねって言ってたわ。」

「あぁ。ありがとう。」

すっかり、忘れてた。

危ない、危ない。すっぽかすところだった。

「まぁ、頑張ってきたら?」

やっぱり美琴は知ってる。