僕と君の365日


これが未来ならなかった方がもしかするとましだったかもしれない。



「桃琉。」

美琴に呼ばれ、振り向く。

「昨日、どうだったの?」

「どう、って何が?」

美琴がニヤニヤしている。あぁ、これは何かたくらんでいる。

「帰り道、どうだった?もちろん陽信は待ってたのよね?」

「ま、まぁ。」

もしかしたら美琴が陽信に一緒に帰れって言ったのかもしれない。

「あら、私はヒントを与えただけよ。それでどうだったの?」

「普通に手、繋いで帰ったよ。」

「あら、普通ね。なんと面白くない。」

美琴は微笑みながらさらりとそんなことを言うから怖いのだ。

「陽信って案外照れ屋なのね。好きな子には手を出せないタイプの。ちなみに感想は?」


「楽しかったよ。もっと一緒にいたかった。」


「あら、そう。それならいい方法があるわよ。」


にっこりとほほえ......いや悪巧みをしている笑い方で美琴は言った。