カッコいいと思ったら好きなんだろうか。
そんな好きをめぐる問題は私のなかでぐるぐるとまわり、いつも以上に授業に集中できない。
「えー、じゃあ榑井!」
「........はい?」
声が裏返ってしまった。
「なに変な声出してんだ。ほら、問題解け!」
「........」
見たことないような数字が永遠と並ぶ。今は英語の時間?いや、先生は数学なんだけど........数学だったと思うけど。
「先生、数学は英語ですか?」
ふと口から出た言葉はそれだった。
「は?....」
それに対して沈黙が流れたのは言うまでもなく。
「てめぇ.....バカにしてんのか?放課後、職員室。拒否権なし!」
「えぇ?拒否権なかったら民主主義じゃないと思いまーす!」
「そんなこと覚えなくていいから数学やれ!」
先生の声は大きく、さすがに今回は右から左でグッバイ。にはならなかった。大声でビックリしてドキドキは好きじゃない。
んだよね?

