「桃琉。」
「み、美琴......」
す、げぇ....と言うべきなのか.....美琴の後ろのオーラがなんとも言えない。
「あんた、あの男に襲われる気だったの?いっっつも危ないことばっかしてつっかかっていくんだから......」
「..........ごめん。」
「桃琉、いいの?本当に、いいの?」
「.....................」
何の話かはよくわからない。
けど桃琉は黙って答えない。
「今は、まだ、よく知らないし....わからないけど私なら頼る気がする。」
「そう、好きにすればいいわ.....早い方がいいわよ....私は帰るから。」
「え?美琴帰るん?」
「あいにく、愚民と違って暇人じゃないの。」
また、愚民......
「美琴、また明日。」
「えぇ。」
そうやって人混みの中へ入っていく美琴。
「はぁー、どっか行くかー。」
不自然な会話から誰もがなにも言えなかった....沈黙をやぶったのは都騎。
「結局、なにも食べてないしね。」
「じゃあ、改めてワクド行ったらええか。」
話を進めていく、二人。
「桃琉は?いいの?」
「ん?あ、いいよ。」
ニコッと笑って見せるけどそれは作り笑顔。ヘッタクソだな......
「なに食べよかなー。」
「都騎、もしかして奢ってくれる?」
「は?いつそんなことゆうてん?」
「え?俺、奢ってくれると思ってたんだけど。」
「なんもゆうてへんやん。」
「うそ?」
そんな二人のやり取りのなか、桃琉はずっと黙っている。
「桃琉?」
「あ、行こっか。」
やっぱり作り笑顔。

