僕と君の365日

「なめてんのかよ、二人とも来い。」

ぐっと二人の手首が捕まれる。
それと同時に男の胸ぐらをつかむ。


「何してんだ?てめぇ......俺のダチにてぇ出していいって誰がいった?ちょっと来いや。」

そのまま連行しようとしたとき......

「大人げないよ、お兄さん。」

掴んでいた胸ぐらが離れ、首に腕が回り男の顔が上を向く。そしてそのまま背中の真ん中に膝蹴りが入る。

そのとき俺はとても安心する。俺よりもずっとケンカが強いから。こいつは。

「どこの誰を敵に回そうとしてここに現れたの?その上、僕の友達にも触れたみたいだ......これは僕の中で重大な罪だよ?
クスクス...........判決はもちろん死刑だ。
さよなら、お兄さん。」

首の骨が......

「なーんちゃって.......驚いたかな?
いい反応するから、つい、ね?
まぁ、僕を敵に回したことに変わりはないんだけどね。」

悪魔の笑み......とても恐ろしい。みてるだけでも寒気がしてくる。その時道路にリムジン?が止まる。


「ぴったりだよ、的場。」

「仕事ですので」

降りてきたのは結構なおじいちゃん。まぁ、すごいひとなんだけど。

「じゃあ、あとは頼んだからね....」

「わかりました、判決は...」

「重大な罪だよ。」

「そう、ですか、では。」

左京と意味深な会話をして男と一緒に去っていく的場さん。

「ふぅ、久しぶりだな、こんなに体力を使ったのは。」

左京は微笑む。

「桃琉、美琴、大丈夫か?」

「えぇ、私はなんともないわ。」

「怖かったぁ.........」

ペタン、とその場に座り込む桃琉。

あんだけきついこといったのによく言うね。

「桃琉、手首。」

腫れてる。

俺は救急セットを取り出してその中から湿布をだす。

「大丈夫だよ、これぐらい。」

「痣が残ったら大変だ。女の子なんだから。」

湿布を貼ってサポーターをつける。

「あんまり、痛かったら病院行って。
あと、アドレス。もうはぐれてもらっちゃ困るからね。」

「うん、ありがと。」

笑った桃琉はケータイを取り出す。

右手首、うまく使えてない。

「リア充のところ悪いんだけど俺のこと忘れてるやろ。」

「はじめから知ってたよ。荷物持たされてあとから走ってきたことぐらい。」

「もうちょっとオブラートにつつめや!」

「知ってるよ、パシられてたことぐらい。」

「あかんわ、こいつ。」

オブラートにつつんだつもりだったんだけど。そんな会話をしながら桃琉にアドレスを送る。

「いった?」

「うん。」