桃琉にソファに座っていてもらって俺は飲み物を出すために台所へと足を運ぶ。
「兄さん。私がやるわ。せっかく来ていただいたんだもの。兄さんといるべきだわ。」
そう言って海空はお茶を煎れる。
「今日、新しい茶葉が届いたの。」
嬉しそうに言う海空はお茶が大好きで暇があれば俺や兄貴に煎れてくれる。
「ありがとう。」
俺は海空に一声かけて桃琉の方へと向かう。
「あんま、キョロキョロしないで。恥ずかしいから。」
「あっ。ご、ごめん!」
あたふたしている桃琉を見ると自然に顔がにやける。
そんな自分の顔をできるだけにやけないように頑張って桃琉の隣に座った。
「海空がお茶を持ってくるから」
「そうなんだ!すごいね。私なんてお湯もわかせないよ!!」
え。
「水入れて火をつけるだけじゃないの。」
「なんでだろうね。」
えへ。と言った桃琉がなぜか消えそうに霞んでみえた。

