ん。好き?
私....今!陽信のこと。好きって。好きって思った?
「とーるちゃん。」
「は、はいぃい!」
「そんなに緊張しなくてもいいよ。」
何故か視線を感じるな...と、思うと弟さんに睨まれている。
......私、何かしたかな.........
「ん?どうしたの。顔色が悪いけど。」
と、私の見つめる先を見る、音羽さん。
「かーんーやーっ!」
私の腰に回ってた腕が離れたと同時に怒りだす。
「私が抱きつく子、みんなにらむんだからっ!」
弟さんはかーんーやーと言うのか。
「あ、あの。お、弟さんは悪くないですよ?きっと、私が何かしただけで。」
「いいえ、とーるちゃん。こいつ、ヤキモチ妬きなの。だから弟くんが悪いのよ。」
目の前で頬を膨らませてる、弟さんはとても可愛い。
「もう、その顔には騙されないからね!」
音羽さんが言うと今度はうるうるした目で見つめている。
「うっ。も、もう。次はないからね!」
「透真、まじ可愛い。俺以外に騙されんなよ?環にたぶらかされたりしてもついていくんじゃねぇぞ?」
「た、環はそんなことしないよ!」
「わかんねぇよー?男はみんな狼だぜ?俺で経験つめよ、透真、な?」
「第一にたぶらかされないから!そんなこと言う人は嫌いです!」
「へぇ、嫌い?じゃ、別れる?」
「え?」
弟さんが普通にしかも笑いながら別れる?って言うので私も驚く。
音羽さんの顔はどんどん悲しげになっていって.....
「もう、私帰る!」
お店を飛び出していった。

