「俺は一ノ瀬(イチノセ) 春。大学2年。次の彼女、募集中だから。」
次の彼女......
「春さん今の彼女は?」
「んー。もうダメかなー。みたいなー?」
「またっすか。」
にこにこしてそう答える春さんは遊び人?女好き?どっち?
「春!仕事しろ!」
「うげ。違うっすよ。注文とってるんす。」
え、おじさん、怖い。
「りょーちゃん、そんなに怒ったらシワ、増えるわよ。」
「みつは黙っとけ!春!次、嘘ついたら時給下げるぞ!」
「えぇ?おっさんそれ脅迫ざーい。」
「おっさんでも脅迫罪でもない!仕事しろ!」
「はぁーい。じゃ、みんな。あとでね。」
怒られたのに反省もせずさらりと去っていく、春さん。
「あ、そうそう。環以外、俺のことは春でいいから。俺もみんなのこと呼び捨てで呼ぶし。」
それだけを伝えてまた接客を始めた。
何か嵐みたいな人。一緒にいる時間はとても短い。
「さ、俺の奢りだから好きなもん食え!」
環が嬉しそうに言って陽信と一緒にメニューを覗いた。

