鼻血が止まった後。
「ほら。足、見せろ。」
「へ?」
「挫いたんだろ?」
「えっ、何でわかったの?」
「バカか。
朔のこと見てたら、
すぐわかるよ。
走ってたけど、
歩き方が変だった。」
李斗スゴイ。
確かに痛みはあったけど、
歩いたり、走ったりすることは
普通にできていた。
だから、大丈夫だと
思っていたのに。ーーーーー
「やっぱりな。
腫れてんじゃねーか。」
そう言って、李斗は、
私の足首を優しく摩った。
「…っ。」
ダメだ、なんか変な気分。
李斗に触られるとゾクゾクとする。
「こんな腫れて、痛くても、
俺との約束を守ろうとして、
朔は頑張ってくれたんだね…。」
「…っ!!」
そう言って、李斗は、
私の腫れた足首にキスを落とした。
すると、広がる戯れ。
「…何か事情があった、
ってことは、わかってたんだ。」
「へ?」
「朔は、簡単に約束を
破るような人間じゃない。
ーそれくらい、知ってる。
だから、
試合場に上がった時だって、
何かあったんだって思ったし、
朔の無事だけを祈ってたんだよ。」
「李斗………っ。」
「嬉しかった。」
「?」
「あの朔のエールが聞こえた時。」
そう言って、李斗は笑うから…。
私も嬉しくなって、
笑みが溢れた。

