ツンデレ彼氏をデレさせろ。




あーあ。
確かに李斗にお姫様抱っこなんて、
してもらえることなんて
本当この世にないぐらい
幸せなことだったけど。



とてつもなく、
周りからの視線が痛かった。



なんとか、鼻血は止まりました。
只今、救護所。



「まさか、俺が本音言ったら、
鼻血出るぐらい、
興奮するとはねー。」



「………。」



何も言い返せず、
恥ずかしすぎて俯く私。



ケラケラと楽しそうに
意地悪く笑う李斗。
ちょっと悔しくて。
仕返ししてやろうと、



「あの李斗が、
ヤキモチ妬くなんてねー。」



からかったように言ってやった。



悔しそうに、
恥ずかしがると思った。
ーーーのに。



「ヤキモチ、なんかじゃない。



…嫉妬、だ。」



急に真剣な表情になって、
私の髪の毛の先を彼自身の手に
絡め始めた。



「ーへ?」



「ヤキモチなんて、
生易しいかわいいもんじゃない。



嫉妬だよ。
わかってんの?バカ朔。
俺、独占欲強いからね。
もう、嫌がっても
離してなんかやらないからな。」



「……………。」



私の隣にいるのは、
本当に李斗なのか!!!



目が点になった。



「何、見つめて。
キスしてほしーって?
いいの?こんなとこで。」



はうっーーー!!!!!



いつもの李斗じゃないーーー!!!
誰だ、この人ーーー!!!
でも、メッチャカッコイイーーー!!!



ーなんて、思いながら、
周りに人もいるので、
必死に首を左右に振った。



「何だ、残念。」



ーそう言って李斗は、
楽しそうな表情を浮かべた。