観客席に到着したのは、
試合開始3分前だった。
キョロキョロと探すと、
もう既に試合場にスタンバイする
垂れに“棗”と
書かれた選手を見つけた。
ーーー李斗だっ!!!!!!
ー李斗に、伝えたい。
ちゃんと、傍にいるってことを。
ちゃんと、見てるよってことを。
ちゃんと、
応援してるよってことを。
そう思って最終手段に出た。
「李斗ーーーっ!!!
応援してるからねーっ!!
李斗はっ!
李斗らしくっ!!
頑張ってねーーーっ!!!」
観客席から、精一杯叫んだ。
注目は受けたけど、
そんな場合じゃない。
ひたすら、祈った。
私の思いが届きますように、
と。ーーーーー
ーすると。
李斗の表情は、
防具を着けていて
わからないハズなのに。
李斗は、私の方を向いて、
ニヤッと笑った気がした。

