ツンデレ彼氏をデレさせろ。




“どうしよう。”
ーそう、思った。
だけど。
やっぱり、李斗は、
私の大好きで大好きで、
大切な人なわけで。
薄情者だと、
自分でも思ったけれど。



「ごめんなさい、お母さん。
やっぱり、私、この“約束”は、
破れない。
李斗は、私の大切な人だから。
約束を破りたくない。



でも、終わったら、すぐに
おばあちゃんのところへ
行くから!お願い!!」



「わかったわ。
じゃあ、行く前にちょっとだけ!
すぐに顔だけ見せたら、
李斗君のところまで
送ってあげる!!
だから、少しだけ
病院へ来て!!!」



お母さんの必死な姿に、
どうしようと迷ったけど、
病院から
李斗の試合がある体育館まで
車で15分。
まだ、2時間あるから…、
間に合うかな。



ーそう思って、



「わかった!
その代わり、
おばあちゃんの顔見たら、
すぐに連れてって、お願い!!」



「うん。
じゃあ、病院へ向かいましょ。」



本当は、早めに行って、
李斗に頑張って、
と言いたかったけど、
事情が事情なだけ、仕方ない。



そう思いながら、
李斗の試合には、
間に合うように行くことにした。