ーいや、本当、癒されます。
李斗の必死な姿。
土曜日になり、私は結局、
李斗の剣道の練習道場へ
いつものように来ています。
あれ程、偉そうにされたって、
私が李斗の傍にいたいのは変わりない。
だから、結局来ちゃうんだよね、
悔しいけど。
(かっこいーーー………。)
もう、本当剣道している李斗に
惚れ惚れしていると、
時間なんてあっという間に
過ぎ去ってしまう。
ーと、李斗を観察していると
休憩に入ったらしく、
私は一目散に
李斗の元へと駆け寄った。
「はい、どーぞっ!!」
道場を出て近くの
休憩所にて休憩している李斗に
今日も恒例のレモンを渡す。
「…さんきゅ。」
嬉しいなー…。
こうやって
自分が作ったの食べてもらえるの。
「………っ………。」
李斗を観察していると。
レモンを細い指で掴んで口に運ぶ。
そのまま李斗はレモン汁のついた
指をペロリと舐めた。
ーその瞬間を見てしまった私は、
ゴクリと息を飲んだ。

