「もう一回言ってみろ。
この場でキスしてやる。」
「こ、こここんなとこで!?
ダメ!!!」
近所の人が見てるかもしれないし、
知り合いが見てるかもしれない。
今日は両親は仕事だけどって、
そーゆーことじゃなくて。
「へえ?俺の誘い、断るんだ。」
「そ、そそそんなもったいない!!
そんなことないです!!!」
「んじゃ、キスするから、
目、瞑れ。」
(ええーーー!!!
ま、マジっすかーーー!?!?)
私が一人でテンパっていると。
「プフッ。」
李斗は、吹き出して笑った。
「バーカ。」
私を罵(ののし)りながら、
李斗は笑う。
好きだなぁ、李斗が笑う姿。
「朔の方が顔真っ赤。」
そう言って李斗は私から離れた。
「…明日。
来たかったら来てもいーよ。」
それはそれは偉そうに。
そう言って、
李斗は家に向かって歩き出す。
「李斗ーーー!!!
好きーーーーー!!!!!」
「………黙って。うるさい。
知ってるから。」
いつものように、
呆れながらの嬉しそうな笑顔を
見ることができた私は
満足して、家へと帰った。

