ツンデレ彼氏をデレさせろ。

ー放課後。



「はい!どーぞっ!!」



作ったマフィンを
ラッピングして、李斗へ♡



ーと、すると、そこへ。



「あー!
汐梛が李斗に
マフィンあげてるー!」



ー叫びながらやってきた深津。



「俺にはくれなかったくせにー!」



「だから、何で、
アンタにやらなきゃならない。」



そう言って深津を睨んでいると、



ーグイ。



「ふぎゃ!!」



目隠しされながら、
後ろへ引っ張られる始末。



「…早く、帰るぞ。」



耳元で聞こえた李斗の声に
気が狂いそうになりながら、



「はい!♡」



ー喜んで引きづられる私。



「おーい、李斗ー。」



それでも、着いてくる深津。



「李斗、甘いもの嫌いだろ?
汐梛、俺にくれなかったんだ。
それくれよー!
腹減ってさー、
これから部活だっつのに。」



ーそう言われると、急に
立ち止まる李斗。



ーーー嗚呼。終わったな。
知ってるよ。
李斗が甘いもの嫌いなの。
だから、出来る限り調整して、
甘さ控えめのマフィン作ったのに。



これじゃ、やっぱり、
李斗には食べて貰えないか。



ー仕方ない。
今度は甘い物はやめよう。



そう、諦めた時だった。



「………やめとけ。」



ボソッと李斗が呟いた。



「何で?」



李斗の呟きを深津は聞こえたようだ。
深津は理由を求めた。