「ってゆーのが、
中学時代の俺の経緯。
今から思うと阿呆過ぎて、
笑えて来るな。
14年間騙されていたことに、
笑うしかねーな。
まあ、幼馴染で、
ずっと一緒にいたと俺自身は
思い込んでいて、
あの女のことを全て知っていると
勘違いをしていた俺が、
バカだったんだけどな…。
ーーーって、
何、泣いてんだよ、朔。」
ふと、彼女を見ると、
瞳に大粒の涙を
たくさん流していた。
指でそうっと拭うと、
「だって、李斗、
つらかったんだろうなって思って!
ずっとずっと
憧れて、信頼してた人に
騙されて、裏切られて、
きっと、李斗は、
本当に苦しかっただろうなって!」
俺のために泣いてくれる朔に、
嬉しくて、
自然と笑みが零れる。
「まあ、確かにそうだけど…。
あの女の言ったとおり、
彼女に現実を突き付けられて、
彼女と別れてからは、
生きていけないってくらい、
つらいときもあったけど。
家族ももちろんいるし、
遼とか、友だちもいたし、
なんだかんだ寂しくても、
やっていけたよ。
…それに、
朔に出逢えて、
こうやって、
一緒に居られるしな。」
「李斗…、上手く言えないけど、
私は、李斗だけだから!
李斗しか映らないから!
李斗のことしか、頭にないから!」
「…知ってる。」
朔は、本当にわかりやすい。
裏表がないのは、一目瞭然だし、
感情が顔や態度にに出てる。
だから、わざわざ言わなくても
わかるんだけど。
言葉にしてくれることは、
すごく心地よい…。
すごく、安心するんだ…。
「私は、李斗が、大好きだよっ!」
まだ涙目で。
必死に訴えてくる彼女が。
愛おしくて、たまらない。
ーもう、限界だった。
俺は愛しい彼女を
思いっきり抱き締めた。
「…知ってる。
ありがとう、朔。」
彼女がくれる気持ちに
初めて御礼を言った。ーーーーー

