俺らの学校は、
それなりの進学高であるため、
授業中居眠りする奴は
なかなかいない。
「まあ、授業中寝まくって、
先生から怒鳴れてることも
頻繁にあるから、
問題児みたいだけど、
それなりにいい子らしいよ。
一度決めたことは、
やり遂げるってゆーのが
彼女の信念らしいしな。
素直な子らしいしね。」
「遼、何で
そんな汐梛朔について
詳しいんだよ。」
「風埜の彼女の親友なんだよ。」
「風埜って、
サッカー部の?」
「そうそう、俺のダチ。」
「ふーん。」
この時、俺だって、
汐梛に興味はなかった。
関わることもほとんどなく、
毎日が過ぎていた。ーーーーー
ーでも、それから、李斗を
ふと見ると、彼は彼女を
目で追うように
なっていたことに俺は気付いた。
それを問い詰めても、
どーせ、バカ扱いして
本音など、認めもしないことは
わかっていたから、
何も言わなかったけど。
ー李斗が汐梛に興味があることは、
親友の俺にとっては、
一目瞭然だった。

