「僕は18歳。本当だったら今は、高3だよ」


彼は少し、少しだけ悲しい顔をした。


私はただ町を眺めていた。


 「高校は行かないんですか?」

そう言った後に、聞かなきゃよかったと後

悔をしたが彼は話してくれた。


 「僕には治らない病気があるんだ」

私は全ての体の機能を停止させて少年を見た。

 「驚いた?」

私は首を大きく横に振った。


 「…走れないんだ。運動も、人を愛することもできない。ただ、こうやってじっとしていることしかできなんだ」


 なんでか私は話題をそらした。



 「絵を描くのは好きなんですか?」

 「いや、好きじゃない。見ての通り下手だしね」

 「ゆうちゃんはここにいて楽しい?」

 「はい。ここにいるとなんだか心が素直になるっていうか、楽になるから」




 見てはないけど、少年は私を見て微笑んだように見えた。

 「そーだ!敬語は止めよう、他人行儀すぎる」

 「そうだね」



何となくそばにいたいと思うのは私だけかな?