「友達は大丈夫?」


ぽか~んとしている私に顔を覗かせて訪ねてきた。


 「あー!!」 「あはは…」


私は慌てて走って帰ろうとしたが、すぐに振り返った。


 「明日も来ていいですか?」


こんな言葉初めて言った。誰かのそばにいたいなんて。いや、違う。私がここに来たい理由。それは 『この景色が見たいから』だ。でも、こんな気持ちは初めてだった。

 
 彼はあの微笑みで「じゃぁ、また明日ね。ゆうちゃん」



そう言われた。名前を言われてドキッとした。だって、少年は私の名前を知らないはずだ。しかも、みんなから呼ばれているニックネームまで


 「どうして私の名前」

 「さぁね。どうしてでしょう」


少年はこの時初めて、勝ち誇ったような意地悪そうな顔をした。



 少年は私に課題を出した。
『ヒントは登下校』らしい。


私は課題が分からないまま友達を追いかけた。