それから、30分、わたしは皆を探して歩き回った。


でも、見つからなくて。



どんどんひと気のない場所へと進んでる気がする。



さっきまで、騒がしかったのに。

辺りは静寂に包まれてて。

わたし一人だけが、孤立したみたいな。

そんな感覚にとらわれる。



心細くて。


周りには、誰もいなくて。



目に涙が溜まってくる。



もう、自分がどこにいるかもわからない。


怖かった。




「どうしたの??」


突然声をかけられて。

体が、ビクッとなる。


振り向くと、30代前半くらいの男の人。

スーツを来てる。


わたしは、一目見て、胡散臭いセールスマンみたいだなと思った。