side 沙羅


「……らちゃん」
誰かが呼んでる?


「…沙羅!」


「沙羅!!」


「ひ、ひゃい!!」

わたしは飛び起きた。


みんながわたしを覗き込んでて。

びっくりしたー…。


「やっと起きた!」

七海がため息をついた。



わたし、寝てたんだ!


「山下は起きたかー!」


せ、先生まで!

「沙羅待ちだよ」

美優が教えてくれた。

やばっ

「ご、ごめんなさい!
すぐ、準備します!!」



…………。

あれ?

荷物がない……。


「沙羅!荷物、持ってくぞー」

声の主は翔吾。


え!?
なんで!?


「ありがと!すぐ行くー!」

とりあえず返事をして七海と一緒に外へ出る。


「沙羅、翔吾の肩にもたれて寝てたんだよ?」

!?

「なんと、迷惑なことを………!」

重かっただろうなぁ。


あとで謝っとかなくちゃ。