桜が満開に咲き誇る季節。

優しいそよ風がわたしを包む。

「沙羅ー!そろそろ時間よー!」

お母さんの声。

「はーい!」
わたし、山下 沙羅は、慌ててカバンをひっつかみ外に出る。

「行ってきます!」
見送りにきてくれるお母さんに笑顔をむける。

今日から新学期。そして、わたしは中学3年生になる。
クラス替えが気になって仕方がない。
上手くクラスに馴染めるかな?

そんなことを考えながら、友達との待ち合わせ場所まで自転車をこぐ。


待ち合わせ場所についてから15分経過。

「おはよー!」
明るい声に振り向く。
癖のあるショートヘア。
少し黒めの肌に大きな目。

「遅いっ」
わたしはため息をつく。
いつもの日常。

「あはっ☆すみませんでした。」

この子はわたしの友達の志方 七海。
すごくマイペースで、時間にルーズ。
わたしはいつも振り回される。

「はやく行こっ!始業式遅れる!」

その後、わたしたちは他愛のない話をしながら学校へ向かった。