「ちょっとだけ、行ってみようぜ
」晃は階段を降り始めた。

「やめなよ。危ないって」
私はいった。

続いて慶太も降りていった。

「嫌なら待ってろよ」
慶太はふりむいてこっちを見た。

こんなところに置き去りにする気?
信じられない!

私とみなみも不承不承あとに続いた。

階段は20段くらいだったと思う。
足元にはびっしりとコケが生えていて、すべらないように気をつけた。

「そろそろ階段終わるぞ」

終わるぞ、終わるぞ、わるぞ、ぞ、ぞ……。

慶太の声が反響している。