大学生になり2度目の春がきた。



サークルにも入らず、ただアパートと大学の往復の毎日。



そんな平凡な日々が変わったのは友達の付添で見に行った陸上部の




記録会。






私の目に入った今にも空に手が届きそうなくらいに




高く飛んだ一人の男の人の姿。




輝いていた。村瀬 倖斗  理学部の3年生。





だけど、彼がなぜ新記録を更新する度に見せる少しの笑顔と・・・


少しの淋しげな顔の意味を私はまだ、知らなかった。