ユナツside

私には、もう時間がない。残された時間をどう使うかなんて、わかんない。

けど、今日はなんだかいい気分だ。

(えへへっ、雪楽君)

これもそれも、あの雪楽君にあったのだ。

学校一のお人好しのイケメンの雪楽君に!

チャラリーン

あ、通知。

「誰かな?」

差出人は、なんと雪楽君だった。


『さっきの、ユナツらしくないなw
もう少し緩くていいよ
       雪楽  』

ふうぅぅううおぉぁああ!
わっ…笑われたっ…!

「うぅっ、意地悪だ」

…でも、こういうのが幸せなのかな。
こんな家のなかでも、幸せを感じるなんて不思議ね。

『……!!』
『……っ!…!』
「またかぁ…」

体をベッドに投げ出し、熱くなる目頭を腕で押さえつける。
頬を伝う涙に気づかず、ただ両親の怒鳴り声を聞いた。