入学して3日目の朝







『………………………』




零「何してんだ、早く来い」




『……………………』




零「千尋はやっばりバカなのか?」





『……………………』






零「おい……………」





………………………。





私は夢を見ているのでしょうか





目の前には制服姿の総長さん





いやいや、おかしいのは………ここ私の家の前





『な、なんでいるんですか』




零「何でって……今から行くから」





『え、どこに…………ですか?』





零「俺らの倉庫に」




『倉庫………?』




零「説明は後。乗れ」




そう言ってポイっと投げた物




『ヘルメット?』




零「落ないようにな、乗れよ」





乗れ…………って言われてもですね





『バイク………』




零「乗れないのか…………?」






ぎくっ





家では………車しか乗ったことないからぁ







零「仕方ない…………おらよっと」





『え、おわっわぁっ!』




急に体が浮いて………




ストン





目を開ければバイクの上







零「ほら、しっかりつかまれ」





何が起こってるのかわからない状況



でも落ないようにヘルメットかぶって




総長さんの服をチョコンと握った





零「おい」




『は、はいっ』





零「振り落とされたい?」





『え、いえ………』





零「もっとつかまれ」



『は、はい』




総長さんの腰をギュッと掴む




零「…………おい、こうだろ」




突然手をつかまれ…………




『へ?わっぷ』




総長さんのお腹に手をまわす感じに。




零「今度からこれな?」



『は、はい………///』



あれやこれやあったけど


何とかバイクを発進させた総長さん





でもみなさん。





今日は水曜日です





学校…………このままじゃサボリに……





はぁ、私も不良になっちゃうのかな





そんなことを考えていると




零「ついた」




いつの間にかバイクは止まっていた





と同時に目の前にはドでかい倉庫





ドラマでしか見たことないけど


ほんとにこんな倉庫あるんだなぁ


…………なーんて呑気なことは言ってられない





「「「「「ちわーっす!」」」」」




四方八方から挨拶が聞こえてくる



零「……………」





総長さんは何も言わず



ずかずか行き、階段を登っていく




『えっ………………』






その様子を見ていると急に

総長さんが視界から消えた




理由は………




「お前誰だ……どこから入ってきた?」



知らない制服を着た男の人が目の前に。




『え、いや…………そのぉ』





突然の出来事にアタフタしかできない




零「8代目銀姫だ」




上から声がした




見ると……………







階段の上にあるドアの前に

総長さんが立っていた




「そ、そうとは知らず…すみません」




さっきまで強気だった男の人も


敬語になり頭を下げる



『いえ!頭をあげてください!』




一般人の私はまたもやアタフタしか出来なかった