学校の教室へ着くと、中は暖房がついていて、とても暖かかった。

「おはよ、光!」

「おはようしーちゃん」


八田(やた)しずく。私はしーちゃんって呼んでる。入学式で初めて声をかけてくれて、高校入学して初めての友達。身体は小さいけど、ものすごく頼りになってかっこいい、私の大切な親友。

「そういえば最近はどうなの?あの夢。まだ見てる?」

私はしーちゃんだけにあの毎日見る夢のことを話している。

「うん、毎日…。」

「毎日ねぇ。確かにそれで悩むのも無理ないよ。光、もしかして近々お迎えくるんじゃない?」

「えっ?!わたし死んじゃうのかな?!」

しーちゃんは違う違うと慌てて訂正した。迎えに来る、というのはその夢の中の女の子は私で、男の子がもうすぐ迎えに来るのではないかということだった。

「私はそんなロマンチックな約束したことないよ。」

私は小さな頃から男の子が苦手で、幼稚園は隅で一人遊び、小中学と女子校に通っていたので男の子と喋る時は本当にいつも緊張してしまう。怖い、と思う訳ではないのだが、上手く喋れない。