その時
「しっつれーしまーす!」
部室のドアを思いっきりバタンと開けては言ってきた男が一人...
一人ボケーっとしてた俺は
そのバカうるさい声で現実に戻ってきた。
「湊ー プリンセス借りてくからなー」
そう言って美咲を部屋から連れ出しそうとした男。
その男の名は『御影 透(みかげ とおる)』
俺と同じクラスで美咲のファンクラブの会長だ。
...そんな奴が美咲になんの用だ?
たしかファンクラブのルールには『美咲と1対1で話さない』というのがあったはずだが...
「って...ちょっと待った―――!」
「おう、なんだ?湊!」
「美咲を借りてくって何なんだ――――!」
「お前アホか?言葉通りの意味だよ。」
憐れんだ瞳で透にみられた。
なんかムカつくぜ...



