そんな簡単なことに、あたしは今さら気が付いたんだ。 曽根田は、あたしのために、あたしと一緒にいてくれてた。 だからあたしは、曽根田と出会ってから、自分にちょっとだけ自信が持てたんだよ。 「見て、昨日より月がきれいに見えるよ、曽根田」 「昨日を知らないけど、たしかに、すごく、きれい」 月明かりに照らされて浮かび上がるあたしたちの影が、くっついては離れを繰り返す。 隣で、キスのタイミングを見計らう曽根田に、あたしはいつ気付くのだろう。 きっと、それは、とてもとても、近い未来の話。 Fin