私は、あのあとすぐ屋上に向かった

ガシャンッ
「わっ、やっぱ寒いな…。半袖で来ちゃった」

季節は秋
外に半袖でいるのは結構きつい

「めんどくさいからいいか。教室に行きたく
 ないし…」

「ねぇ、君。誰?」

え?あなたが誰?とか思って振り返った

「あー、君。嘘つきちゃんでしょ笑」

なによ、嘘つきちゃんって

てか、この人、私の一個先輩じゃない

上の学年まで知れ渡ってるなんて…

「あの、あなたは…?」

感じ悪く言ってやったぞ笑

「ははっ怒んないでよ笑
 俺、3年の向井 宏樹〈むかいひろき〉」

よろしく。と言ってきたので

「あ…はい。私は2年の小鳥 唯〈ことり〉
 です。よろしく…です?」

向井先輩は、ふっと笑ってから触られたくない
話題を出してきた

「唯ちゃんは、なんで教室に行きたくないの?
 さぼっちゃ、だめじゃん笑笑」

いきなり名前呼び?とか、先輩もサボってる
とか考えて、思った

「もしかして、教室に行きたくない発言
 聞いてました?」

すごい、恥ずかしくて
でも、すごい…気づいてくれて嬉しかった

「うん、ごめん笑笑 
 俺さ、この時間とか昼休みここにいるから
 相談乗るよ?」

この時、いえばよかったんだ。
助けてくれたかもしれないのに…

私は、意地を張ってしまった

「いえ、友達いるんで。今もだるかっただけだ し。」

この時の自分はどうかしてたんだ。
もう、限界だったのに

「ふーん?あ、じゃあ携帯教えて!
 連絡してこい!!」

「別に、いいですけど」

これが、あとに私を救い出してくれるなんて
思わなかったんだ