カミングアウトから五分。

私はミッちゃんに詰め寄っていた。

「私、彼氏居るって言っちゃった!ミッちゃんが伝えておいてくれないからー!!」
「意味わかんないし。」
「だって、だって!」
「説明はだいじょうぶ。何があったかは大体聞いてるから。」

出た、ミッちゃんと光輝くんの不思議なほど早い情報。


「あんたが言うなって言ったんじゃない。」
「だって。光輝くんオトモダチ多いし口軽そうだったから。サラッと言われたら困るんだもん。」
ヒミツはその時になるまで明かさない、私の秘密主義がぁ。。

授業中、ノートをとる気にもなれなくて、彼氏にメール。


今、大丈夫?と送ればすぐに返事が返ってきた。

《大丈夫、だけど授業じゃないの?》
「あのね・・・ばれちゃったの、彼氏居ること。」
突然ケータイが震え始める。
スマホはメールとか専用、そしてケータイは電話専用。
つまり、電話ということで。
先生にトイレ、と嘘吐き、個室に入ってから電話に出る。


『もしもし』
「柚月くん?」
『うん。今、大丈夫?』
「授業だったけど、抜け出して来ちゃった」
見えないと判っていても舌を出してみる。
『あー、ごめんね?』
「ううん、私は大丈夫だけど。」
柚月くんは勉強好きだからなぁ、怒るかなぁ。