で?

「え?」

卵焼きを食べていると、突然尋ねられた。
窓の外は若干曇り。
雨降るのかなぁ。

天気のことを考えていると、頬を引っ張られた。
「誰にあげるのーって話よ。」
「んー、鮫嶋くんとか?笑」
冗談で口にする。
うぇ、という顔をしたミッちゃんに微笑む。

「モチロン、嘘。」
だけどその会話をまさか、聞いてる人がいるなんて。


鮫嶋くんは隣のクラスにいる変な人。
というか、嫌いなタイプ。
クネクネして女の子に唾を吐きつけるような、そういう人。
はっきり言うと、気持ち悪いって言われる人。



「光輝くんに渡すよー。ミッちゃんがいつもお世話になってますってね!」
「あー、可哀想に笑」
二人で笑い合っている間に、物凄い速さで噂が広がっているとは思わなかった。
教室に戻ると、泣きそうな男子と驚いた顔の女子が群がっている。
どうでもいいから、とカバンからチョコを取り出す。

「ちょっと隣のクラスに行ってくるねー。」
「え?2組?」
「うん。」