学校に行くと、一斉に視線が突き刺さった。
え、と一瞬後ずさり。
それでもいつもと変わらないミッちゃんの姿を見つけて、駆け寄る。
おはよ、と途中の男女に声を掛ける。
ぎこちない笑顔と返事。
見え透いた下心と恐怖心を感じて、苦笑い。
「それで、誰にあげるの?」
私のカバンには彼氏へのチョコとプレゼント。
そして余ったチョコで作った、溶かして固めただけのチョコレート。
トッピングもアーモンドとかシナモンとか。
口に放り込めば、感じる苦味はきっと他の人を思っている印。
誰にしようかなぁ、と授業中、ノートをとりながら考える。
顔の悪い子にあげると私の趣味が悪いと思われる。
ここは無難に仲のいい子にあげようかな。
オトモダチとしてあげるには気が引けるけど、仕方ない。
持ってきた小さなピンクの紙袋の中には、友チョコ用のラッピング。
それを持ち上げて、クラスの仲がいい女の子に配る。
ありがとーという言葉と、お返しを貰う。